フィリピンでは、現在大都市を中心にロックダウンとなっています。
【ルソン地方】マニラ首都圏,ベンゲット州,バギオ市,パンガシナン州,バタアン州,ブラカン州,ヌエバ・エシハ州,パンパンガ州,ターラック州,ザンバレス州,バタンガス州,カビテ州,ラグーナ州,リザール州,ケソン州
【ビサヤ地方】イロイロ州,イロイロ市,セブ州,セブ市,バコロド市
【ミンダナオ地方】ダバオ市,タグム市(北ダバオ州政府行政命令に言及)
【ルソン地方】マニラ首都圏,ラグーナ州,パテロス町
【ビサヤ地方】セブ市
<5月31日まで「一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)」を課す地域>
【ルソン地方】
コルディリエラ行政区域(CAR):アブラ州,アバヤオ州,ベンゲット州,イフガオ州,カリンガ州,マウンテン州,バギオ市
カガヤンバレー地域(地域2):バタネス州,カガヤン州,イサベラ州,ヌエヴァ・ヴィスカヤ州,キリノ州,サンティアゴ市
中部ルソン地域(地域3)アウロラ州,バターン州,ブラカン州,ヌエヴァ・エジハ州,パンパンガ州,タルラック州,サンバレス州,アンヘレス市,オロンガポ市
カラバルソン地域(地域4A)カビテ州(*),ケソン州,リザ-ル州,バタンガス州,ルセナ市
【ビサヤ地方】
中部ビサヤ地域(地域7):ボホール州,セブ州,ネグロス・オリエンタル州,シキホル州,マンダウエ市,ラプラプ市
【ミンダナオ地方(在ダバオ日本国総領事館管轄地域)】
サンボアンガ半島地域(地域9):北サンボアンガ州,南サンボアンガ州,サンボアンガ・シブガイ州,サンボアンガ市,イサベラ市
ダバオ地域(地域11):ダバオ市(*),ダバオ・デ・オロ州(*),北ダバオ州,南ダバオ州,西ダバオ州,東ダバオ州
カラガ地域(地域13):北アグサン州,南アグサン州,ディナガット諸島,北スリガオ州,南スリガオ州,ブトゥアン市
(*)の地域については,5月14日時点で再検討予定
そこで今回は、フィリピンの中でも語学学校が多く集まるセブの語学学校スタッフさん達に強化されたコミュニティ隔離(ECQ)下の「ロックダウンが始まる前の状況」と「ロックダウン中の現状」について聞いてみました。
「近々、セブへ旅行や留学を考えている」や「私のようにフィリピン好き」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
※5月5日インタビュー記事
ロックダウン前について
セブのロックダウンはセブ市が「3月28日」、セブ州が「3月30日」から5月31日までです。
ロックダウン前の状況やなぜ帰国せずにセブにとどまっているのかを聞いてみました。
「ロックダウン前の学校の状況を教えてください」
語学学校スタッフさん
仕事面で、とにかく慌ただしい日々でした。ロックダウン前の数週間は、正直あまり記憶にないです。
なぜ慌ただしかったかというと、
(1)フィリピン政府からの最新情報をしっかり得る
(2)学校に滞在していた生徒さんを帰国させる
(3)留学エージェントを含め関係者へのお客様やセブの状況共有する
(4)コロナウイルスの影響で留学途中に帰国してしまった方への対応をする
に追われていましたね。
政府からの最新情報に関しては、実は1日単位というより1時間単位でも変更になっている現状があり、情報の確認作業に時間がかかっていました。
例えば、フィリピン政府から「語学学校の授業は行っていいことになった」と言われた数時間後に、「やはり語学学校も休校要請」という重要な内容もです。
日本では、考えられないことですが、フィリピンでは政府発表の情報でさえ錯綜することがよくあるんです。文化の違いですかね。(笑)
「なぜ日本に帰国されなかったんですか」
語学学校スタッフさん達
語学留学の仕事が好きだからですね。みんながフィリピン留学へ戻ってきた時のことを考えていました。
ただ、正直にお伝えしますと学校からは、帰国してもいいよと言われていたんです。でも今後、ロックダウンが解除され、フィリピンへすぐに戻れるかと考えた時に難しいと思い、決めました。
学校再開した際は、安心して留学に来てもらうようにしたいですね。
誤解してほしくない点としては、ロックダウンの状況を体験しておきたいなどの軽い気持ちではありません!
「海外に行く」、「海外で生活をする」、「海外で仕事をする」と決めたら、それ以降自分自身に起こることはすべて自己責任だと認識して、滞在しています。
ロックダウンの状況下について
続いて、1か月以上経過したロックダウンの状況下のセブについて教えていただきます。
ロックダウンってどんな状況で、どんな制限がかかっているのか、本当に厳しい都市封鎖をしているのかなどを聞いてみました。
「5月15日までセブ島はロックダウンとなっておりますが、具体的な制限を教えてください」
語学学校スタッフさん達
日常生活の制限ですと以下になりますね。
- 全ての公共交通機関の運行が停止
- 基本的に、外出が禁じられ自宅で待機しないといけない。しかし、病院、食料品購入など生活上の必要がある場合のみ、各家庭から一人だけ外出ができます。この場合、市から配られたECQパスが必要で、マスクの着用も義務化
- ショッピングモールも営業時間短縮され、食品コーナーや銀行、薬局など必要不可欠とみなされたお店のみ営業可能
- レストランの店内飲食禁止(デリバリー可)
- 車を所持している方も、走行できる日が決まっている
※5月6日時点 セブ市(行政命令64番)
ロックダウン中でも「ECQパス」という外出の許可証があれば、自宅の外に出ることが可能です。
注意点としては「ECQパス」を持っていたとしても、住んでいる場所から外出できる範囲が決まっていて、そこを越える移動はできません。
検問所が各地に設けられていて、万が一強行突破をしようとした場合は、警察に逮捕されたり、最悪、銃殺も大統領が許可しています。
「ECQパス」を持っていない学校スタッフさん
「ECQパス」を持っていないので、学校の敷地から一歩も出ていません。
フィリピン人のスタッフやテレビでも、外国人の外出についてはオススメしないと言われているので、今は外出しなくてもいいと思っています。
「ECQパス」を持っている学校スタッフさん
「ECQパス」を持っているので外出はしています。
ただ外出をしているといっても、基本的には日中に買い物へ行く程度。夜など不要不急の外出はしていないのが現状です。
「セブ市内の街中はどうなっていますか」
「ECQパス」を持っている語学学校スタッフさん
外出や移動をかなり制限しているので、街中の車や人はとても少なかったです。
車もナンバーで、走れる曜日が決まっている状態です。
ショッピングモールには、スーパーなど生活するうえで必要なところしか開いてませんが、それなりに人はいましたね。
街の雰囲気は、以前と比べて昼間に関しては、今までと特に変わりはありませんでした。
しかし、TVなどでやはり治安の悪化が心配されるニュースが入ってきているのは事実です。
ですので、夜の外出をしようとは思っていません。
ロックダウン下の治安については、こんな風に言われていますよ。↓
・失業や休業などで、生活が苦しくなっている人が増えているので、スリや強盗などの犯罪
・荒い気性の国民性ではありませんが、新型コロナウイルスを持ち込んだのは外国人と考える方もいる
・警察官など公的職業の人からの賄賂要求
ロックダウン下のフィリピンでは、慣れた土地とはいえ外国人という意識を強く持ち、行動していこうと思っています。
「お食事はどうされていますか」
語学学校スタッフさん達
食事に関しては、学校で1日2から3食用意してもらえます。
ロックダウンが始まったばかりのころは、野菜は手に入るのですが、果物はなかなか手に入らなかったようです。スイカが出た時は、テンション上がりました。
セブ郊外にある語学学校スタッフさん
他の学校さんはレパートリーは、豊富ですね。うちの学校のご飯は、基本「カレー」と「サムギョプサル」が続いてます(笑)。たまに材料が手に入ったら親子丼がでたりしますが、都市と田舎の差なのか。。。
「食事のデリバリーは使えますか」
語学学校スタッフさん達
デリバリーもできますよ。配車アプリのGrabが行っている「Grab Food」というのもあります。
人だけでなく、配達も決められた地域を超えることができません。食べられるのは、自分たちが住んでいるエリア内のレストランのものだけですね。
場所によって注文ができるものが結構異なっているんです。
デリバリーが豊富な場所にある語学学校スタッフさん
結構いろいろ注文できますよ。
例えば、ジョリビー、マクドナルド、日本食、韓国食、ピザ、ケーキ屋さん、中華料理などなど
セブ郊外にある語学学校スタッフさん
また都会と田舎の差だ!ただ、ここのエリアは納豆を作っているお店があるので、納豆は配達してもらいました!(ドヤ)
「普段はどのように過ごしていますか」
語学学校スタッフさん達
ロックダウン前から、語学学校に滞在しながら働いています。
今は学校が休校となり、生徒さんもいないため、通常より短い時間の勤務となっています。
こんなに自分の時間があることはめったにないため、フランス語、ベトナム語を勉強したり、副業したりしています。
セブにいる友人達と直接会うことができれはいいのですが、会えないので、オンラインでゲームをして繋がって、リフレッシュしてますね。
「今、辛いなと感じることは、何ですか」
語学学校スタッフさん達
現在、語学学校が本来あるべき姿である留学生達で溢れている状態でないのは、もちろん辛いです。
一緒に働いていたフィリピン人の先生やスタッフさんの生活も心配です。
しかし、今は感染者数が増えずに早くロックダウンが解除になってくれれば、先が見えてくるので、その為に耐えるしかないんだと思っています。
オンラインでは会えますが、直接人と会えない状況は初めて経験するので、当たり前のことが当たり前でなかったと感じる日々です。
フィリピン行きを考えている方へメッセージ
語学学校スタッフさん達
責任逃れをしているわけではありませんが、フィリピンに限らず海外へ行くと決めたら、自分自身でしっかりと情報を集め、考え、決断して、渡航していただければと思います。
新型コロナウイルスのようなことが再度起こらないと言えません。不測の事態が起こった時、自分で考え、自分で動けることが大切になってきます。
今後、フィリピン行きを予定している方たちへ、外出禁止なので確認はできていませんが、ポジティブな情報もあります。
交通機関の停止や人の動きの制限により、街中のスモッグなくなったり、海がきれいになってマクタン島の海にもウミガメが戻ってきたという話を聞きました。
フィリピンの「自然」は、大きな魅力の一つです。ロックダウン前より「自然」環境が良い状態のなっている可能性は高くあります。
全てが元通りになったら、以前とはまた違ったセブの魅力を発見できるかもしれません。是非セブに遊びに来てください。^^
ロックダウンから解除までのロードマップ
フィリピン政府は,コミュニティ隔離措置として4段階を設定し,段階的にゆっくり緩和させていく方針を取っています。
(1)「強化されたコミュニティ隔離(ECQ)」
(2)「修正を加えた強化されたコミュニティ隔離(MECQ)」
(3)「一般的コミュニティ隔離(GCQ)」
(4)「修正された一般的コミュニティ隔離(MGCQ)」
(1)→(2)→(3)→(4)順に緩和し,コミュニティ隔離措置の解除に至る流れとなっています。
おわりに
いかがでしたか。
セブのロックダウンの状況を少しはイメージできましでしょうか。
「フィリピンのロックダウンってどこまで制限がかかっているのか、ちょっとぐらいは外出できるんでしょ」などと思ったら、想像以上に外出が厳しい状況でした。
世界と比較して、日本の緊急事態宣言が緩いと言われています。確かに、フィリピンと比較しても法的拘束力がないので、そう言われても仕方ない状況かもしれません。
私の子供たちも今までのように好きに外出できない日々で、ストレスが溜まっているように見えます。
しかし、いつか終わりがあるから今は我慢というのをしっかり伝え、海外の状況なども話すことで、自粛生活を頑張れる気がしました。
今回は、ロックダウンについてお話をしてくださった3名の学校スタッフさん達に最大限の感謝をするとともに、引き続き気を付けて過ごしてもらえればと思います。