留学カウンセラーとして、実際に子育てしている母であったことから、多くの親子留学の相談を受けてきました。
カウンセラーとして、親子留学におけるメリットもデメリットもお伝えしていました。しかし、「留学に行きたい」「素敵な留学生活を送れる」「子供の教育にメリットだ」と思っている時は、メリットにフォーカスしてしまいがちですよね。
でも、事前のデメリットの把握は大事。
そこで今回は、フィリピンの親子留学で直面するよくある問題について、お客様の感想や現地にいる語学学校スタッフさんからもしっかりとヒヤリングしてまとめてみました。
子供の成長段階によって、よく起こる問題が異なっているため、年齢別にご紹介します。
是非参考にして、フィリピンで親子揃って有意義な時間を過ごしてもらえればと嬉しいです。
1歳から3歳
基本的に、1歳から3歳ですと多くの学校では、ベビーシッターサービスとなります。
そこでよくあるのが「お父さんとやお母さんと離れたくない」と子供が親御さんからスムーズに離れてくれないということです。
仕方ないですよね。この年齢でなくても、できればお父さんやお母さんとは一緒にいたいものです。
特に2歳から3歳は、言葉もなめらかになり、自分で物事を考える力、思考力もしっかり身に付いてくる頃です。言葉と泣くという表現で本当に後ろ髪引かれる思いだと思います。
語学学校スタッフさんによると、お子様が親御さんから離れないというのは、「1週間ぐらい!」とのこと。
日本からフィリピンへの親子留学は1週間という短期間の方も多くいらっしゃいますが、こんな状況はよくあることと思って、ポジティブに捉えましょう!
ポジティブな考え方は、お子様目線で考えると、約5時間も親御さんから離れて頑張った、日本語が通じないシッターさんと一緒に過ごすことができるということです。
決して怒らず、「いい子にしてくれたから、たくさん勉強できた。ありがとう!」そのぐらい心に余裕を持っていると、お子さんも安心して、親御さんから離れてくれるでしょう。
4歳から6歳
4歳以上はベビーシッターさんではなく、授業を受けることを必須として親子留学を受け入れるフィリピンの語学学校がほとんどになります。
しかし、まだ小学校にも通っていないお子さんは、「授業を受ける、しかも英語で受けていること自体がすごいこと!」なんです。
・椅子に座ることができない
・先生と二人きりのお部屋で授業を受けられない
・そもそも勉強したい気持ちになっていない
というようなことは、仕方ないことですよね。
フィリピン人の先生もお子さんが授業を受けられないという状況は慣れていますので、だましだまし授業を行ってくれますが、一番大事なのはお子さんの気持ち。もちろんフィリピン人の先生は無理強いはしません。
この時期はお子様の成長は、個人差もあるため、親御さんは焦らずに、お子様ペースに合わせて授業を受けてもらうサポートをしてみましょう。
そして授業後は、褒めちぎってあげましょう!
何が起こるかわからないのがこの年齢の面白さなので、英語学習というよりフィリピンに来て異文化を体験できたことで、お子さんに合格点をあげるぐらいのおおらかさがいいと思います。
小学生
小学生の夏休みや春休みを利用して留学する親子留学が年々増えてきました。
以前、私の娘がフィリピン留学をした理由にも書きましたが、2020年の教育改革で大きく英語教育が大きく変わることも大きな要因だと思います。
小学校の留学となると6歳までの授業と違い、フィリピン留学で提供される授業も比較的しっかり勉強する段階に入ってきます。
そこで直面する問題は、「親御さんの希望で連れてこられてしまっているため、お子さんがまだ留学する準備ができていない」ということです。
小学生は、意志がはっきりしてくるので、留学する語学学校・カリキュラム選びや留学の準備を一緒に行い、日本にいるときから留学に心を向ける準備をしていきましょう。
フィリピンに来てから、「どうしよう??子供が全然やる気がない」という時も安心してください。
無理やり勉強させずに、学校の先生やスタッフさんに任せてみましょう。
親御さんは、ここでもお子様のペースでサポートするに限ります。
そして授業が終わったら、お子さんをねぎらい、褒め、一緒に時間を過ごしましょう。英語ができるようになってほしいという親御さんの希望を叶える一番の近道は、お子さん自身が海外って、楽しいと感じさせることです。
中学生
中学生となると、学校の成績アップ、受験対策、資格対策など、フィリピン留学で英語学習に関する成果への要求がより高くなってきます。
英語力アップが、メインの目的になっている年齢ですので、当たり前ですよね。
ここでよく見受けられるのは、親御さんの想いや愛が強すぎで、お子さんの成長を妨げてしまうことがあるという点です。
具体的には、
・親御さんが授業内容に口出してしまう
親御さんがお子さんの弱点を分析して、授業の内容を変更して貰いたい。
簡単すぎるので、もっと難しいクラスや教科書を使ってほしい。
学校では、今までの留学生の傾向や英語の4技能のレベルを見て、決めています。もし簡単すぎるのではあればそれはお子様自身に言わせることが大切ですね。
・お子さんに過度な干渉をしてしまう
お子さんが引っ込み思案で、それがもどかしく「もっと積極的に話しなさい」と強く言ってしまう。
中学生ともなれば、お子さん自身で考えられるので、お子さんの成長のために少し我慢していただいて、勉強に関しては、学校を信じて、任せて貰えいたいというのが学校さんの想いです。
日本と比べて、フィリピンは発展段階ということでインフラなども含めて、環境が大きく異なっています。
ですので、お子さんは、勉強以外からも沢山のことを吸収しています。極力口出しせずに、お子さんを信じて、お子様自身でいろいろ感じ取ってもらう機会を残しておいてもらえればと思います。
勉強に関しては、学校で教えてくれていることを信じて、勉強以外については、中学生という多感な時期のお子さんに向き合いサポートすることが成功への鍵ですね。
語学学校からのアドバイス
現地にいる語学学校のスタッフさんに親子留学を成功させるための秘訣を聞いてみました。
現地でたくさんの親子留学の生徒さんを見てきた語学学校スタッフさん視点ですので、是非参考にしてみてくださいね。
勉強を終えたら、しっかり子供をねぎらってあげる
フィリピン人の先生はとても褒め上手です。
少しのことでも、生徒を褒めてくれ、自信を与えてくれます。
しかし、お子さんが一番褒めてもらいたいのは、やっぱりお父さんやお母さんなんです。
異国の地で頑張って勉強したお子さんへは必ず褒めて、ねぎらってあげてください。このねぎらいが、また次の日の頑張りになり、日本に帰国した時の親子の関係性も違ったものになっているとのことです。
勉強以外の時間は子供と向き合う時間をつくる
どちらかということ、これは、フィリピン留学で勘違いされている方が多い点になります。
フィリピン留学の特徴は、衣食住がついていて、勉強に集中できる環境があるということです。そして他の国と比べて小さいお子様のベビーシッターというサービスを提供しているので、小さい年齢のお子様から受入可能というところです。
シッターサービスも基本的にはお母様の授業時間中であったり、朝9時から16時までと決まった時間です。24時間シッターさんが見てくれるわけではありません。
授業を終えて、勉強以外の時間帯は日本とは異なった環境で過ごすお子様と向き合う時間として、過ごして貰いたいとのことです。
日本にいると家事に追われて、見過ごしがちなお子さんの良い点も、フィリピン留学中なら見逃さず、「こんな素敵なところがあったんだ」と気づく親御さんも多いそうです。
せっかくなので、フィリピン留学では親子関係を深める良い機会にしてみるとよいでしょうとのことでした。
おわりに
いかがでしたか?
全てが思い描いた通りのフィリピン親子留学になるとは限りませんが、ほんの少しの準備と気持ち次第で、お子さんも親御さんも実り多き留学となります。
現地で、お子さんが思い通りに勉強してくれなくても、何かしらの刺激になり、何かしら感じてくれているのは間違いありません。
大らかな気持ちで、親御さんもお子さんも楽しいフィリピン留学を過ごして貰えると嬉しいです。